清潔症候群

一種の社会的な病気

 ここ数年、日本人で10~20代の若者の間で、身体の清潔に必要以上に気を使う傾向がでてきているようです。

 会社や学校では、昼休みにOLや女子学生がトイレで食後の歯磨きをするのは、常識のようになっていますし、女子高生の3人に1人は市販の脱臭パウダーやスプレーを持ち歩いて、頻繁に脇の下や首筋にふきかけているようです。また、最近は女性のみならず若い男性にも、この風潮が広まっているようです。

 強いワキガ体質の人であれば、こういった努力をする気持ちも分かりますが、ほとんどの日本人は体臭が薄いものです。普通の生活をしていれば、少しばかり風呂に入らなくても他人がはっきりと分かるような体臭が出ることはありません。

 ですが、それでもなんとかしてニオイを消そうと努力する若い人たちを称して「清潔症候群」という言葉が作られました。一種の社会的な病気のようにも思えます。

コミュニケーションの不器用さ

 現代の若い人がこれほど自分たちの体臭を恐れるようになったのは、他人とのコミュニケーションの仕方が上手でない人が増えたことと関係があるようです。
 
 他人を受け入れ、自分を受け入れさせる、そして他人と上手に距離を取るといった訓練がうまくできていないがゆえに、他人との関わりに恐れを抱いて、他人の自分に対する評価が気になって仕方ないといった感じになります。

 そして自分のニオイを気にするあまり対人恐怖症にかかって、人前に出られなくなってしまう人が増えているようです。ただ、現在の社会自体が対人恐怖症にかかっているために、ニオイを排斥しようとしているところもあるのかもしれません。