日本人はニオイに敏感な民族

日本人の清潔志向

 日本人は、江戸時代において既に銭湯や床屋が繁盛していたことからも分かりますが、早くから一般庶民の間で「身ぎれいにして、におわないこと」が美徳とされていた民族といえます。

 幕末に黒船で来航したアメリカの提督ペリーは、日本人の清潔さに驚き、感心したという記録が残っているほどです。

 日本人は全体として、体臭が薄い民族ではありますが、だからこそ、汗や汚れによる軽い体臭にまで敏感で積極的に自分の身体のニオイを隠そうと努力してきたのです。

 欧米では強い体臭があることを認めたうえで、より強い香りでおおい隠すという方向から香水が使用されてきたのですが、日本では事情が少し違ってきます。

例えば、香水を使用するにしても、まずはニオイを消して、その上で、香などを身につけて、微かな良い香りを装おうとしてきたのです。

悪臭の追放

 こういった環境の中では、もともと少数派のワキガ体質の人の強い臭いは、余計に目立ってしまうのです。そして、日本人の清潔好きで、強いニオイを極端に嫌う傾向に、現代ではますます拍車がかかっているようです。

 空調完備のマンション住まいでトイレは水洗、町の中から道端の下水溝やドブ川もほとんど無くなってしまいました。現代の都市では、悪臭や異臭を放つものが、昔と比較すると少なくなりました。

 こういった人工的に整備された環境の中で生活する現代の日本人は、それに飽き足らず、悪臭を徹底的に無くそうとしています。水洗トイレや車の中、玄関先に置いてある脱臭剤芳香剤は、他の国ではあまり見かけないものです。日本人は、それほど悪臭を嫌っているのです。

 強い体臭を持つ人にとっては、これまでに無かったほど風当たりの強い時代になったと言えるのかもしれません。