異性の発情を促すニオイ

ニオイを遠ざけると‥‥

 性フェロモンは即座に、異性の行動を引き起こす強力なニオイではありますが、この他にも、もう少し長い期間かかって、異性の発情を促進するニオイがあるということも、動物実験で確認されているようです。

 雌のマウスのみを集めて飼いならし、雄のニオイを一切全て、断ち切ってしまうと、通常は4~5日ごとにおとずれる発情周期が、次第に伸びていってしまいます。

 しかも、この雌をもう一度雄と一緒に住ませたり、または雄の尿やニオイがついた巣をいれてやると、発情周期がもとに戻るそうなのです。また、マウスの嗅覚器官を手術で切り取ってしまうと、発情しなくなるということも判明しています。

異性のニオイに触発される

 人間にも似たような事例があります。若い男女が共に行動する機会が極端に少なかったヴィクトリア朝時代のイギリスにおいては、通常、少女の月経がはじまる周期が遅かったと報告されています。

 ですが、現代になって男女共学がはじまると、月経開始時期が早まってきたそうです。これは、栄養状態がよくなったなどの、他の原因もあるとは思いますが、異性のニオイに触発されて、それまで抑圧されていた性的な成熟が早まったと考えられているようです。

 戦後の日本でも、女子の初潮年齢が著しく低下しました。戦前と比較して、戦後の共学制度や自由になった男女交際が影響を及ぼしていることは間違いないでしょう。

 男子の場合も、戦前と比較すると第二次性徴の発現が大幅に早まっていることが報告されています。これも栄養状態が良くなったことと、共学制度による異性の刺激が作用していると考えられます。